一本の動画で、再生数の先にある「事業成長」をつくる——株式会社VIGONOVA
「映像の仕事って、クリエイティブだけで食べていけるのだろうか」
「再生数は伸びても、事業や売上にはつながらないのではないか」
就職活動を進める中で、そんな疑問を感じたことはありませんか。
株式会社VIGONOVAは、テレビ番組制作やYouTube・TikTokを活用したSNSマーケティングを通じて、売上や集客、採用といった事業成果に直結する支援を行っている会社です。映像を「つくること」自体をゴールにするのではなく、事業を成長させるための手段として捉えている点が特徴です。
代表の北岡さんは、大学時代からテレビ制作の現場に携わり、卒業と同時に起業しました。学生の延長線上で起業したように見える一方で、事業を続ける中では赤字や採用・マネジメントの難しさにも直面してきました。
本記事では、北岡さんがなぜ映像と事業に向き合い続けているのか、その背景にある考え方やVIGONOVAの組織の作り方をひもときながら、学生がこれからのキャリアを考えるうえでのヒントを探っていきます。

——まずは貴社の事業内容を教えてください。
VIGONOVAは、映像を起点としたマーケティング支援を主軸に事業を展開しています。事業は大きく三つの領域に分かれています。
一つ目は、YouTubeやTikTokを中心としたSNSマーケティング支援です。単なる動画制作にとどまらず、企画立案、撮影、編集、運用に加え、リード獲得後の商談設計や売上向上施策までを一気通貫で支援しています。実際に、投下コストに対して700%を超えるROAS(Return On Advertising Spend:広告対効果)を記録した事例も生まれています。
二つ目は、テレビ番組制作事業です。番組の企画立案からキャスティング、撮影、編集まで制作全般を担い、地方局や独立局を中心に、持ち込み企画による番組制作も手がけています。
三つ目が、自社メディア事業です。現在は、上場企業と個人投資家をつなぐ投資系メディアの構築を進めており、2026年以降の本格展開を見据えています。

——なぜテレビ制作からキャリアをスタートしたのですか?
私がテレビ制作の世界に関わり始めたのは、大学時代に業務委託として制作会社の仕事に携わったことがきっかけでした。学生でありながら、編集や撮影、企画といった制作の中核に近い部分まで任せてもらえる環境に身を置くことができました。
当時の制作現場は慢性的な人手不足でもあり、「やりたい」と手を挙げれば、年次に関係なく挑戦させてもらえる空気感でした。実際に、ドラマ制作やCM案件にも関わり、自分が携わった映像が世の中に届けられる経験を重ねていきました。この体験が、映像を単なる表現ではなく、仕事として捉える原点になっています。
同時に、制作会社のビジネス構造を現場で学んだことも大きな経験でした。映像は「つくって終わり」ではなく、誰の意思決定にどのような影響を与えるのかまでを考えて初めて価値を持ちます。その視点が、後にSNSマーケティングや事業づくりへとつながっていきました。
——SNSマーケティングや自社メディアは、どのような想いでつくっているのですか?
SNSマーケティングや自社メディアを展開するうえで、私が一貫して意識しているのは「どこにレバレッジをかけるか」という視点です。限られた時間やリソースの中で、一本のコンテンツがどれだけ大きな事業成果につながるかを常に考えています。
そのため、VIGONOVAでは金融や不動産といった業界を主な支援対象としています。これらの分野は、一つの意思決定が持つ金額的なインパクトが大きく、同じ制作工数であっても、事業に与える影響が大きくなりやすい領域です。単に再生数を伸ばすのではなく、「誰のどんな意思決定を後押ししたのか」という因果関係を重視しています。
自社メディア事業も、同じ思想の延長線上にあります。投資や金融に関する情報は専門性が高く、一般には分かりにくくなりがちです。だからこそ、YouTubeという動画プラットフォームを活用し、難しいテーマを分かりやすく、かつ本質を損なわずに伝えることに価値があると考えています。背景には、日本における「お金に対する不安」を少しでも減らしたいという、個人的な問題意識があります。

——1人社長から組織をどんどん大きくしていったそうですが、どういった変化がありましたか?
一人で事業を運営していた頃は、意思決定も早く、正直なところ負担はそれほど大きくありませんでした。売上が立てば、そのまま自分の成果として返ってくるため、事業運営自体は比較的シンプルだったと思います。
しかし、組織をつくった瞬間に状況は大きく変わりました。人件費やオフィス費用といった固定費が発生し、毎月の資金繰りを常に意識しなければならなくなりました。実際に赤字を経験し、通帳の残高が減っていく感覚に、強い不安を覚えたこともあります。
特に大きかったのは、採用とマネジメントの難しさです。期待を込めて迎えたメンバーに対して、十分な成果を出させてあげられなかったケースもありました。その原因は、本人の能力ではなく、私自身の関わり方や育成の設計にあったと振り返っています。この経験を通じて、事業は仕組みだけでなく、人によって成り立つものであるということを、身をもって学びました。
——組織の変化に合わせて、北岡さんご自身も変わっていったんですね。
創業当初の私は、成果を出すためには論理的に正しいことを伝え続けるべきだと考えていました。しかし、その姿勢だけでは、必ずしも人が前向きに動くわけではないということを、組織づくりの過程で痛感しました。
現在は、ミスや結果だけを切り取って評価するのではなく、「次にどう生かすか」を重視するマネジメントへと考え方が変わっています。感情的に叱責することはほとんどなく、期待しているからこそ伝える、というスタンスを意識しています。その方が、個々の主体性や当事者意識が育ちやすいと感じているためです。
また、社内ではKPIレビューや振り返りの機会を多く設け、数字や事実をもとにフラットな議論を行っています。再生数といった表面的な指標ではなく、売上や集客、採用などの事業成果にどれだけ貢献したのかを判断軸としています。このようなオープンでデータドリブンな文化が、現在のVIGONOVAの組織を形づくっています。
——VIGONOVAでは、どのような成長ステップを描くことができますか?
VIGONOVAでは、年次や経験にかかわらず、早い段階から実務の中核を担ってもらうことを重視しています。最初は先輩メンバーの案件に入りながら業務全体の流れを理解し、徐々に企画や運用の一部を任せていく形です。成果や理解度に応じて任される領域は広がっていきます。

3年目頃には、案件責任者として複数のプロジェクトを自走できる状態を想定しています。戦略設計から制作、運用、検証までを一気通貫で担い、「この領域であれば任せられる」と言われる専門性を持ったプレイヤーへ成長してもらいたいと考えています。
その後は、個人として成果を出し続ける道に加え、チームを率いて事業全体を伸ばすマネジメントや、新規事業の立ち上げに関わる選択肢もあります。共通しているのは、再生数ではなく事業成果で評価され、自身の意思決定が組織や事業にどう影響したのかを言語化できる経験を積める点です。
——VIGONOVAは、どのような学生と出会っていきたいと考えていますか?
VIGONOVAとして出会っていきたいのは、スキルや経験が完成された学生というよりも、課題に向き合うこと自体を前向きに楽しめる学生です。再生数や表面的な成果だけで一喜一憂するのではなく、「この取り組みは、事業にどのような影響を与えているのか」を自分なりに考え続けられる姿勢を大切にしています。
また、失敗を必要以上に恐れず、小さく試して結果から学べる方とも一緒に働きたいと考えています。最初から正解を出すことよりも、仮説を立て、実行し、振り返りを重ねる中で成長していけるかどうかを重視しています。その過程でフィードバックを素直に受け取り、次の行動に反映できることは、大きな強みになります。
もう一つ重視しているのは、一緒に働く相手に対する姿勢です。どれだけ高い成果を出していても、周囲への配慮やリスペクトを欠いてしまえば、良い仕事は長く続きません。相手の立場を想像しながら、誠実で「気がいい」コミュニケーションが取れる学生と、これからのVIGONOVAを一緒につくっていきたいと考えています。
——学生時代に、どのような経験をしておくべきだと考えていますか?
学生時代は、ぜひ自分なりに没頭できるものを見つけてほしいと考えています。それは必ずしも「正解」と言われる経験である必要はありません。むしろ、周囲から見れば少し無駄に思えるような遊びや挑戦の中にこそ、その人ならではの尖りや価値観が生まれることも多いと感じています。
社会に出ると、仕事の進め方やマナー、責任の持ち方といったものは、否応なく身についていきます。一方で、時間や熱量を気にせず何かに没頭できる経験は、学生時代でなければ得られません。その積み重ねが、後になって思考の柔軟さや意思決定の軸として生きてくると考えています。
VIGONOVAが求めているのは、完璧なスキルを持った人材ではありません。自分なりの軸を持ち、それを言葉にできる方と、ぜひ一緒に仕事ができれば嬉しく思います。

北岡 雄大
株式会社VIGONOVA 代表取締役
1999年生まれ。大学在学中から映像制作の現場に入り、テレビ番組制作や動画編集に携わる。その後、SNSを活用したマーケティング領域へと活動を広げ、企画・制作・運用だけでなく、売上や採用といった事業成果にどうつなげるかまでを一貫して考えるスタイルを確立する。現在は株式会社VIGONOVAの代表として、YouTube・TikTokを中心としたSNSマーケティング支援、テレビ番組制作、自社メディア事業を展開している。