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「点・線・面」で広げる成長戦略。専門性を武器にする組織のつくり方——株式会社ヒト・コミュニケーションズ

株式会社ヒト・コミュニケーションズは、販売・営業支援を軸としたアウトソーシングサービスを通じて、企業の成長を“現場から”支えている会社です。「お客様の課題は何か」「成果を出すために何が必要か」を起点に、企画から実行までを一貫して担う実行力に強みを持っています。

今回は、代表取締役社長の花堂哲さん、スポーツ・エンタメ事業本部 本部長の増田竜也さん、営業統括本部営業人事室 PMの曽根香苗さんにお話を伺い、事業の特徴や大切にしている考え方、そして学生に向けたメッセージまでを詳しくお伝えします。

 

 

——貴社の事業内容を教えてください。

 

当社の事業領域は幅広く、エアポート・インバウンド、スポーツ・エンタメ、販売、コールセンター、物流、観光など多岐にわたりますが、共通しているのは“現場で成果を出す”ことに徹底的にこだわっている点です。コンサルのように方針を示すだけではなく、実際に現場に入り込み、売上や運営品質といった結果が出るところまで責任を持って関わっています。

 

——具体的な事業について教えてください。

 

エアポート・インバウンド事業では、訪日外国人向けの免税対応や多言語販売支援に加え、空港内の飲食店運営も担っています。さらに、グランドハンドリングやカルーセル業務など(手荷物受取所のターンテーブル)、制限区域内の業務まで含めて受託しています。人材の確保・教育から現場運営までを担当し、時代や社会情勢によって変化する空港の課題に対して、提案と実行をセットで行っています。

また、スポーツ・エンタメ事業では、国際スポーツイベントやプロスポーツ(野球・サッカー・ラグビー・バスケットボールなど)の興行運営を、企画段階から実施まで一貫して担当しています。会場運営や安全対策はもちろん、ファン・エンゲージメントを高めるための施策にも力を入れており、「興行を成立させる」「体験価値を高める」という視点で支援を行っています。

 

——創業当初は人材会社だったと伺いました。なぜ今の形に進化したのでしょうか?

 

以前は人材を主軸とした会社でした。しかし、事業を続ける中で強く感じるようになったのが、「お客様が本当に求めているものは何か」という視点です。多くの場合、お客様の目的は「人を増やすこと」ではなく、「商品を売る」「事業を伸ばす」ことにあります。

だからこそ私たちは、人を増やすことをゴールにせず、体制設計から実行まで担い、成果にコミットする形へと舵を切りました。

たとえば、100人を現場に入れることが目的なのではなく、100台の商品を売ることが目的であれば、そのために必要な人数や体制は当社がノウハウと販売力を活かして設計する方が合理的です。そのほうが事業価値も高く、結果としてお客様にとっても当社にとっても意味のある関係が築けると考えました。そこから、人数を揃えること自体をゴールにするのではなく、「売上をいくらつくるのか」「成果をどう出すのか」といった結果にコミットする形へと舵を切りました。単に人を供給するのではなく、「成果が出るところまで一緒にやり切る」。その姿勢を追求した結果が、今の事業の形につながっています。

 

 

——事業の特徴や大切にしている考え方を教えてください。

 

事業の考え方として大切にしているのが、「点・線・面」という発想です。

 

・点:できること増やす
・線それぞれの強み(点)を線でつなぎ、お客様を総合的にサポートする
・面:つないだ強みを、他のエリア・業界に拡げていく

 

まずは一つの業務、一つの現場を“点”として徹底的に磨き込みます。空港であれば飲食や免税対応、スポーツであれば会場運営や物販など、目の前の業務を確実にやり切ることで専門性を高めていきます。次に、その点同士を“線”でつなぎ、対応できる範囲を広げていきます。たとえば空港領域では、販売や接客にとどまらず、グランドハンドリングやカルーセル業務といった制限区域内の業務を担うことで、空港全体の運営を支援できるようになりました。スポーツ領域でも、会場運営だけでなく、ECサイト運営やスポンサー企業の獲得、ファン・エンゲージメント向上施策等の支援へと広がっています。

こうして磨いた専門性を、別の空港や地域、他の競技やイベントへと横展開することで“面”をつくっていく。この「点を磨き、線でつなぎ、面で広げる」モデルによって、特定分野において「ここまで任せられる会社は他にない」と言っていただけるポジションを築いてきました。専門性を武器にしながら、変化に強い現場力で成果を出し続けること。それが、当社の事業の特徴であり、長く選ばれてきた理由だと考えています。

 

——「専門性を磨く」という点についてどう捉えられていますか?

 

正直に言うと、楽ではないと思います。学ばなければいけないことも多いですし、知らないと仕事にならない領域もたくさんあります。「営業力だけで勝負したい」「まずは数字を追いたい」という志向の人にとっては、大変に感じる場面も多いかもしれません。一方で、現場で多く聞くのは「だからこそ面白い」という声です。専門性を磨くことで、仕事の手応えも変わり、最初は言われたことをこなすだけだった仕事が、「なぜそうするのか」「もっと良くするにはどうすればいいのか」を自分で考えられるようになる。その結果、任される範囲が広がり、仕事そのものの難易度も価値も上がっていきます。

インプットの量は確かに多いですが、それがそのまま自分の武器になるのが、この仕事の特徴です。「一つの分野を掘り下げたい」「詳しくなること自体を楽しめる」という人にとっては、専門性を磨く過程そのものがやりがいになっていると感じます。

 

——学生向けに、仕事のリアルが伝わる取り組みはありますか?

 

最近特に力を入れているのが、実際の仕事を体験できる“実践型のインターンシップ”です。たとえばフード領域のインターンシップでは、学生自身がメニュー開発を行い、そのメニューを実際に店頭で販売します。企画を考えるだけでなく、作って、売って、その結果がどうだったのかまでを振り返る。実際に「売れたもの」「売れなかったもの」がはっきり分かるので、自分たちの仮説に対して社会からフィードバックを受け取る経験ができます。これは、机上のグループワークではなかなか得られない、仕事のリアルだと思っています。

 

 

また、スポーツ領域では、マラソンやバスケットボールの試合など会場運営の現場に入ってもらう取り組みも行っています。試合当日だけでなく、事前準備や安全対策、終了後の撤収まで含めて体験することで、「一つの試合やイベントがどれだけ多くの人に支えられて成立しているのか」を肌で感じてもらいます。観る側だったスポーツを、支える側の視点で捉え直すことで、仕事への理解が大きく変わるという声も多いです。

人材の仕事やアウトソーシングサービスと聞くと、「どんな仕事をするのか分かりにくい」「現場のイメージが湧きにくい」と感じる学生さんも多いと思います。だからこそ、企画だけで終わらせず、実際に“やってみる”ところまで体験してもらうことを大切にしています。

 

——貴社でのキャリアステップについて教えてください。

 

当社のキャリアの特徴は、「一つの決まった型がない」という点です。事業領域が幅広いため、どの分野で専門性を深めるのか、あるいはどんな形でキャリアを広げていくのかを、本人の志向や適性に合わせて選びやすい環境があります。

まず全国の拠点では、エリアを軸に仕事を経験することが多いです。スポーツ、エアポート、販売など複数の領域に関わりながら、その地域の事業全体を支える立場で仕事を進めていくため、横断的な視点や調整力が身についていきます。ジェネラリスト志向の方には、特に向いているキャリアです。

一方で、本社ではセクターごとに組織が分かれており、スポーツ、エアポート、販売といった特定領域を徹底的に深掘りしていきます。同じ分野の経験を積み重ねることで、その領域のプロフェッショナルとして専門性を高めていく道もありますし、将来的には事業責任者やマネジメントに挑戦することも可能です。

また、当社ではいわゆる「社内転職」のような形で、事業領域をまたいだ異動も珍しくありません。入社時点で「これをやりたい」と明確に決まっていなくても、さまざまな事業を知る中で、専門性を磨きながらも選択肢を持ち続けられる点が特徴だと考えています。

 

——伸びる若手の共通点は何ですか?

 

一番の共通点は、素直さとお客様に真摯に向き合う姿勢がある点です。お客様が何を求めているのかをきちんと理解しようとし、そのうえで自分なりに考えて返そうとする人は、成長が早いですね。また、自分の役割に線を引かず、周囲を見ながら調整できることも大切です。上司や同僚に相談しながら課題を整理し、全体を俯瞰して動ける若手ほど、早い段階から大きな仕事を任されることも多いと思います。

 

 

——貴社の組織や文化を、これからどう作っていきたいですか?

 

私たちが目指すのは“強烈なトップが引っ張る”だけではなく、現場が円滑に動く任せ方ができる組織です。──難易度の高い営業を育てる土台をつくりたいと考えています。

人を増やすための営業は、構造上“会話が浅くなりやすい”側面があります。現場が「5人欲しい」と言えば、一般職も部長も同じ答えになりやすく、上位者と会っても会話が深まりにくいという課題がありました。これから求められるのは、潜在課題まで引き出し、設計する営業です。当社が実行型の営業支援を掲げるのは、営業の価値と難易度が上がる道を選んでいるからでもあります。

だからこそ組織としての文化も、現場が自分で考え、トライアル・アンドエラーで前に進むことを意識していきたいです。いきなり丸投げするのではなく、眺めながら一緒にやる。機会を与え、失敗しても学びに変える。そうした任せ方が、次の章の組織づくりになっていくと信じています。

 

——最後に、これから出会う学生たちにメッセージをお願いいたします。

 

当社の仕事は、誰かの指示を待って正解を出すものではありません。現場で起きている課題に向き合い、自分で考え、試しながら前に進んでいくことが求められます。だからこそ、まずは何でもやってみようと思える人と一緒に働きたいです。

当社では「点・線・面」という考え方を大切にしています。まず、できることを一つずつ増やし(点)、それを価値としてつなげ(線)、領域を広げていく(面)。最初から大きな成果を求める必要はありません。点を増やすところから、成長は始まります。変化を楽しみながら、自分なりの強みをつくっていきたい方と出会えることを楽しみにしています。

 

 

花堂 哲
株式会社ヒト・コミュニケーションズ 代表取締役社長

中途入社で同社グループ会社に参画後、ホールディングス体制強化の流れの中で中核事業会社の代表に就任。グループ全体のガバナンスを担うホールディングスと事業運営を担う中核会社の役割分担を明確にする体制のもと、現場力と実行力を強みに事業成長を推進している。