お問い合わせ

体育会人材はなぜ伸びる?京大準硬式野球部OBが語る、キャリアで差がつく“俯瞰力”と“目的思考”

企業が将来性のある人材として注目する体育会出身者。その評価は、根性や体力といった従来のイメージを超え、複雑なビジネスを動かす総合力へと広がっています。京都大学準硬式野球部で主将を務め、現在は証券会社でM&Aアドバイザリー業務の最前線に立つ樋口和也氏も、その代表的な存在です。高い専門性が求められるM&Aの現場で、樋口氏がどのように“思考法”と“行動の型”を磨いてきたのか。その原点を大学時代の体育会経験から紐解きます。

 

 

——多様な利害を束ねるM&Aの現場で、“体育会で身についた俯瞰力”が武器になる

現在、証券会社で、企業の売却や買収を支援するM&Aアドバイザリー業務を担当している樋口氏。扱う案件は数億円規模に及ぶことも多く、顧客企業、弁護士、会計士、投資ファンド、社内チーム──立場も利害も異なる人々の意思を揃えながら案件を前に進める、極めて複雑な業務です。

こうしたビジネスの現場で活きているのが、大学時代の準硬式野球部での経験だと樋口氏は語ります。
「野球部にはバックグラウンドも価値観も異なるメンバーが集まっていました。そのメンバーをまとめる中で、相手の立場や温度感を踏まえ、“全体を俯瞰しながら最適な行動を選ぶ力”が自然と鍛えられてました」

この「全体を見渡す力」は、利害関係の異なる多くのステークホルダーを調整しながら案件を進めるM&A業務において、大きな武器になっているのです。

 

 

——主将時代に培った「目的の明確化」が、行動の軸になる習慣に

 

樋口氏は京都大学準硬式野球部で主将を務めた経験を、今の仕事に大きく生かしていると語ります。大学時代、部員には目標意識が異なる部員が混在していたため、チームで同じ目標に向かわせることに苦労したといいます。

「主将になったばかりの頃、部員の目標や意識はさまざまで、全員が同じタイミングで本気になることは簡単ではありませんでした。そこで私はまず、『勝利を目指すのか』『楽しむことを優先するのか』というチーム方針を明確に示し、部員自身にどちらの姿勢で向き合うのかを選んでもらいました。目標を揃えることが全ての起点だと考えたからです。

さらに、すべての試合に勝とうとするのではなく、春のリーグ戦という最も勝ちたい目標に焦点を絞り、手段を目的に紐づける戦略を採用しました。樋口氏はこの経験を「常に『何のためにこの練習をするのか』『今どこに課題があるのか』を言語化し続ける習慣が身についた」と振り返ります。

 

——キャリアの先に描く「事業成長に深くかかわるキャリア」

 

自身のキャリアを明確に描いている樋口氏。

「将来はより主体的に企業の成長や経営に関わっていきたい」と語ります。
現在は証券会社でM&Aアドバイザリーとして経験を積んでいる段階ですが、この期間も「将来のキャリアの選択肢を広げるための大切な経験」と位置付けています。また、学生時代から持っている「地元・長野県に貢献したい」という思いも、キャリアビジョンの原動力になっています。

樋口氏は、大学時代の体育会活動で培った「俯瞰力」と「目的思考」が、この長期的なキャリア形成においても大きく生きているといいます。何のために動くのかを明確にし、全体を俯瞰して最適な行動を選ぶ習慣は、学生時代の部活動から今の仕事、そして将来の目標まで、一貫して支えているのです。

 

 

——最後に

 

樋口氏の話で印象的だったのは、体育会経験を“根性”ではなく問題をどう捉え、どう解くかという思考の型”として捉えている点です。

 

・俯瞰して状況を捉える
・目的を明確にする
・多様なメンバーを束ねる
・目標のために行動を最適化する

 

これらは、金融業界やM&Aの現場、さらには経営の世界でも不可欠なスキルです。体育会出身者は、企業が求める「ビジネスの基礎体力」を兼ね備えた存在と言えるでしょう。

また、樋口氏は後輩や学生に向けて、「ぜひ、目の前の課題にとことん向き合い、自分なりの最適解を探してみてほしい」と語ります。
とメッセージを送ります。

京都大学準硬式野球部の文化である「文武両道」は、単なる部活動経験にとどまらず、社会に出てからも大きな強みになるといえるでしょう。樋口氏の今後のキャリアも、こうした思考の土台を武器に、今後も金融・経営の領域で大きな価値を生み出していくことが期待されます。

 

 

樋口 和也

長野県出身。京都大学にて地球惑星科学を専攻し、地震・火山をテーマに研究する傍ら、準硬式野球部で主将を務める。卒業後は金融機関に入社し、法人融資営業を担当。企業の事業価値や経営により深く関わりたいという思いから証券会社へ転職し、現在はM&Aアドバイザリー業務に従事している。